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Oct 05,2012

ONTARIO

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アメリカに住む友人たちが立ち上げた雑誌『ONTARIO』をご紹介します。

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編集メンバーは、フォトグラファーの高橋ヨーコさんグラフィックデザイナーの穂積吉恵さんを中心に
現在発売中の創刊号ではライターの武藤彩さんが文章を担当しています。
彼女たちがアメリカを旅しながら見つけた "物語をはらんだ風景" を、
美しい写真とデザインと文章で表現した本。

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創刊号は、タトゥーを"集める"サンフランシスコの女性たちのポートレートや、

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ワイオミング州の14歳の少年ブルライダーへの取材、

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サンフランシスコの小さな家に暮らすショップオーナーの女性との対話や

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ロデオの世界に生きる女性たちのストーリーなどなど、見ごたえも読みごたえも十分。

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日本人から見ると "ものすごくアメリカ的" なディープな領域の懐に
持ち前の身軽さと好奇心ですっと飛び込んでいって、得た感動をそのまま形にしたような、
とても瑞々しい衝動にあふれている本です。
深みのある美しさに圧倒される写真と、シンプルな中に遊びがきいているデザイン、
文章も印象的で、日英バイリンガルで掲載されています。

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ロデオという世界も、ヨーコちゃんが写真に撮ると、まるで幻想的な映画のワンシーンのよう。
ページをめくるうちに、写真が放つ静かなパワーが体全体に染み渡っていくような感動をおぼえます。

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個人的にいちばん印象的だったポートレートはこれ。彼女のまなざしのカッコ良さににシビレました。

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これまで私が高橋ヨーコちゃんの写真に感じていた魅力は、
どちらかといえば "小さな世界の切り取りかた" だったように思います。たとえば、
寂れた店の隅っこにある古い扇風機とか、ベッドサイドのテーブルに置いてあるマグカップとか
誰もが目にしながら気にも留めない風景が、ヨーコちゃんが写真に切り取ると、
いつまでも心に残り続ける大切な宝物みたいな風景になってしまう。

そんな繊細なフィルターはそのままに、この『ONTARIO』では
ヨーコちゃんの写真世界がグッとスケール感を増していることに驚きました。
これはアメリカに渡った日本人の彼女たちだからこそ作れた、繊細さと壮大さが素敵に混在した本。

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個人的にシビレたもう1つのポイントは、各章の合間にはさまれる "白紙" ならぬカラシ色の見開きページ。
写真の世界にぐぐっと引き込まれているところに、不意にポン、とひと呼吸置かせてくれる感じが、
すごく気持ちがいいのです。現在NYでグラフィックデザイナーとして活躍する穂積吉恵ちゃんの、
読み手を大胆に操るような、のびやかなデザインはとても新鮮で刺激的でした。

ONTARIO』はウェブサイト www.ontariopaper.com での通信販売ほか、
日本でも数々の書店やショップで販売中です。
販売店はこちらの WHERE TO FIND ONTARIO でご確認ください。

やっぱり本という表現は、いいですね。
彼女たちの活動から、心地良い刺激を与えてもらいました!

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Author : Nao Ogawa