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Mar 20,2014

面白かった本と読書コーナー

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最近読んだ本の中で、とにかく面白かったのがこの本、『安井かずみがいた時代』。
20代で作詞家としてデビューし、55歳でガンで亡くなるまでに
膨大な数の昭和の名曲の詞を手がけた安井かずみさん。
言葉だけでなく、ファッションセンスや立ち居振る舞いも洗練されていて
ライフスタイルもとびきりおしゃれだったという彼女の人柄や魅力を、
生前に交流のあった友人たちの証言から解き明かしていく人物ノンフィクションです。
安井さんと遊び仲間だった、ムッシュかまやつさんやコシノジュンコさん、吉田拓郎さんなど
証言者の顔ぶれがまた豪華で、それぞれが語る安井さん像が微妙に違うのがまた面白い!
最高のカップルと呼ばれた夫の加藤和彦さんが、後に自死を選んだこともあって
時代のアイコンとして生きた女性の、華やかに見えて実は物哀しくもあった人生の残像が
胸にずしっと重い読後感を残す、印象的な本でした。

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もう一冊は、ミュージシャンの大貫妙子さんの
雑誌『考えるひと』での連載をまとめた『私の暮らしかた』。
原子力エネルギーに頼らずに「できることを無理なくやる」というエコロジー意識、
都会での生活に区切りをつけ、海辺の街で年老いた両親と暮らすという選択、
還暦を迎え、心地いい縁を感じた札幌にもう1つの住まいを持つという決意。
遠回しな表現も媚びもない、誠実で冷静な文章は
彼女の生きかたをそのまま映し出しているようで
とても清々しい気持ちで読み終えました。

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出産以降、慢性的に足りないのが読書の時間、そして常に満たされない読書欲。
最近は娘と一緒に布団に入り、絵本を1、2冊読んであげたら
「あとはママの本の時間ね」と言って、自分の本を読むようにしています。
元気がある日はその後数時間でも読むし、疲れていれば数ページで寝ちゃいますが
たった数分でも「本を読む」時間があることが、暮らしを豊かにしてくれると信じています。
...というわけで、ホームセンターで板を買って簡単に棚を作り、
リビングのサイドテーブルに小さな読書コーナーを作ってみました。

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時間を忘れて読みふけるような小説は、まだしばらくおあずけなので
ここには、こま切れに読めるようなエッセイやノンフィクション、
いずれ娘に読ませたい(私たちも読み返したい)児童文学、
パラパラめくれる事典のような料理本を並べました。
どんなに忙しくても、ほんのひとときでも、本を読んで暮らしたいという願いを込めた
この新しいコーナーに、私も夫も娘もとても満足しています。

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Author : Nao Ogawa