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Feb 27,2015

メルボルン旅日記 3

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メルボルン滞在三日目にして、ようやく夏らしいお天気(最初の二日は日中も肌寒かった)!
ホテルはParliament(議事堂)のすぐそばで、その前を走るスプリング・ストリート沿いには
シアターや小粋なカフェ、ビストロなどが立ち並び、
朝はコーヒー、夕暮れ時はビールやワインを片手に談笑する人々の姿。
私はここを「素敵ストリート」と名付け、毎日こうした風景を横目に通っていました。
それにしても、この写真は平日の朝10時。場所は繁華街からは少し外れているので
観光客よりはこの辺りに職場がある人たちがほとんどのようです。
仕事の話だってしているのかもしれないけれど、なんでしょう、この優雅な雰囲気は!
この人たちの働く日常ってどんなふうなんだろう?と興味が尽きません。

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さて、この日はまずトラムで北の方へ向かい、イアン・ポッター美術館へやってきました。
写真家リチャード・アヴェドンのポートレート展がここで開催しているのを
フリーペーパーの広告で知り、これは見なくちゃ!と急遽スケジュールに組み込んだのです。
館内は撮影NGだったので写真はありませんが、
モノクロの作品一枚一枚が圧倒的なパワーを放っていて、鳥肌が立ちっぱなしでした。
マリリン・モンロー、エリザベス・テイラー、ツイギー、ビートルズ、ボブ・ディラン、
トルーマン・カポーティ、アレン・ギンズバーグ、アンディ・ウォーホール、マルコムX......
著名人たちの一瞬の奇跡の表情を引き出して捉えた、
写真でしか表現できないストレートで力強い世界を見せてもらい、感動しました。

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この美術館はメルボルン大学の敷地内にあるので、
そんな感動と興奮の余韻に浸りながら構内を散歩することに。

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私も夫も大学を卒業して20年以上経ちますが、キャンパスを歩きながら
そうそう大学ってこういう雰囲気だったよね、とそれぞれの記憶が蘇ってきました。

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クラシカルな建物とたっぷりの緑......うーん、いいなぁ!
「がんばって勉強してこの大学に入ったら?そうすればまた私たちメルボルンに来れるし!」と
娘を啓蒙してみたところ「うちはレストランのおねえさんになるんだもん!」とのこと。
大学に通いながらレストランでアルバイトすればいいと思います。

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そんなこんなでメルボルン大学を後にして、トラムでやってきたのはビクトリア図書館。
荘厳なドーム建築に、机が放射状に配置された閲覧室。こんなに美しい図書館があるなんて!

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もっと滞在日数があったら、この図書館で1日過ごす日をつくりたかったくらいです。

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館内を回りながらもう一つ心に残ったのは、照明の使い方の美しさでした。
ルイスポールセンのPHテーブルランプの魅力を再認識したり......

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長短をつけながら天井から多数吊るしたこの照明使いも印象的でした。

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図書館にうっとりしながらも全員ほぼ同時にお腹の虫が鳴き出し、
またまたやってきてしまいました、クイーン・ビクトリア・マーケット。
今日はオーガニック食材売り場の脇にあるオープンテラスのカフェへ直行。
友人からここのファラフェルラップを強力に薦められていたのです。

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噂のファラフェルラップと、トマトとモツァレラのフォカッチャサンド、
グリーンポタージュを3人でシェア。
野菜の味がぎゅっと濃厚で、またもや記憶にしっかり刻まれる美味しさ!
どこまでもハズレのないメルボルンごはん、本当に素晴らしいです。

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ごはんと並んで私が感動していたのが、街の人々のおしゃれセンス。
「こういうおしゃれをしてみたいな」と刺激を受けたり、
着こなしを真似したくなる人だらけなのです。
おしゃれな街というだけなら世界中あちこちにありますが
なんとなく私はメルボルンのテイストとウマが合うみたいでした。
たとえばこのオーダーの列に並ぶ後ろ姿の女性もそんな一人。持ち物はお財布一つだから
近所にアトリエがあるアーティストかな、それともショップオーナー?
50代とお見受けしましたが、白髪がまじりはじめた長い髪をラフに編んで
アースカラーのカットソーにチェックのひざ丈スカート、
足もとは素足になじんだ風合いのライトブラウンのフラットシューズ。
ジョージア・オキーフ風のマニッシュな顔立ちに大ぶりのピアスが映えていて
カッコイイなぁ...としばらくチラチラと見ていました。
こんな芯のあるナチュラル感を醸し出す大人の女性、憧れてしまいます。

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一方、若さはじけるこちらの少女の憧れは、
街の人々がリンゴをかじりながら闊歩する姿だと言います。
「あんなふうにリンゴかじってあるきたい!」とリンゴ売り場でせがまれ...

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そのくらいの夢なら叶えてさしあげましょうと、買ってあげました。「ワーイ!」

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「シャキッ!うーん、おいしい〜♡」

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デザートがわりにリンゴをかじりながら今日の夕食の食材探し。
今日は魚を食べてみようと、鮮魚売り場でピチピチッとした白身魚を買いました。

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家で飲む紅茶やハーブティーも買い込み、荷物を置きにまたホテルへ。

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午後には気温がさらに上がって30度を超える暑さに。
ホテルからトラムで東にすぐのブランズウィック・ストリートへ。

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一日目に歩いたスミス・ストリート同様アーティスティックなエリアを貫く目抜き通りで
とくに目立ったのがおしゃれなペーパークラフトや文房具、雑貨の店。
メルボルンチックなパステルカラーと温かみのあるデザインは
トレンド感もあってもちろん可愛いのだけれど、さすがに途中から食傷気味に(笑)。
値段も全体的にお高めなので、街歩きはしながらも買い物は大してせずに
マンウォッチングを楽しんでいたのが実情です。

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暑くてたまらなくなってきたら、カフェでアイスクリーム休憩。
夢にまで見たカラフルコーンのアイスを初めて口にした娘は
「みーちゃん(私の母)のクルマのなかのにおいがする」と爆弾発言!
車の芳香剤のようなにおい、つまり香料のキツさに気づいたようです。
見た目が華やかでも味は?といういい勉強になりました。

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この街でも恒例のレコ屋タイムがあったので、40分ほど夫と別行動。
でも6時近くなると店は次々と閉まり始め、
私たちも今日は暑さで体力を消耗したことだし、早めに宿に帰ることにしました。

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ホテルについたら順番にシャワーに入って汗を流し、さっぱりした体で夕食の支度。
市場で買った魚は、種類の和訳を調べたら「メバル」でした。
旅行中の食事は基本的に、スピード料理が得意な夫主導でつくってもらっていたのですが
仕上げにバルサミコソースをかけたこのメバルのソテーがあまりに絶品で
この後「明日もう一度同じものをつくって!」とシェフにリクエストしたほど。
ワインは、暑さと白身魚に合わせてオーガニックのスパークリングを。まさに至福!

こうしてメルボルン日記の濃厚(でも結局は市場ばかり)な三日目が終了。
今日も思い出整理にお付き合いいただきありがとうございました!

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Author : Nao Ogawa