『おしゃれと人生。』は、文章も写真もボリュームたっぷりの160ページの本。
本編の中に、ちょっと箸休めのような感じで
「私のおしゃれを支えるもの」というコラムを差し込んでいます。
マニッシュな靴、天然素材のアクセサリー、イエロー、香水、コートなど
コラムとはいえ思わず引き込まれてしまう興味深いキーワードがずらり。
なぜ、どのようにして、これが私のおしゃれを支えくれているのか、
その話にも「自分らしいおしゃれを見つけるヒント」がしっかり潜んでいます。
もう一つの見どころは10名の過去の写真。子ども時代や少女時代、
新婚時代や子育て時代など、人それぞれ写真の年代は異なりますが
おしゃれと人生を重ねて見つめるために、このページは必須だと考えていました。
そもそもこの本の企画が私の中で膨らんだのは、『これからの暮らし方』を作ったときに
吉谷桂子さんに昔のアルバムを見せていただいたのがきっかけでした。
写真の中のファッションに、その年令の価値観や暮らし方が反映されていて
服ってなんてたくさんのことを語るものなんだろう!と驚いたのです。
それで「どんな服を着てきたか」というテーマで女性を取材し、
一人一人のおしゃれの履歴書のような読み物を書いてみたい、と思ったのでした。
一人のストーリーを読み終えるころに、昔の姿のページが表れることで
「おしゃれと人生」というテーマがよりくっきりと浮かび上がることと思います。
秋刊行の予定が冬にずれ込みましたが、かえってこの時期なら、年末にじっくり読んで
新しい年からのおしゃれを見つめなおすのに役立てていただけそうです。
またおしゃれだけでなく、生き方、暮らし方、考え方などにも
刺激を受ける本になれたらうれしいです。