母と稲垣潤一さんのコンサートに行ってきました。昔から小田和正さんや財津和夫さんのようなキレイで高い声が母の好みで、子どもの頃に歌番組で稲垣さんを見ていて「この人の声は好きだわ~」という瞬間を、なぜか僕は鮮明に覚えています。(母はすっかり忘れておりますが...)
1982年に28歳でデビュー。最初のヒット曲『ドラマティックレイン』でドラムを叩きながら、透き通るような声で歌う姿がとにかく印象的でした。その翌年リリースされた3rdアルバム『J.I.』に、僕の大好きな『夏のクラクション』が収録されています。(どちらも作曲は筒美京平さん!)
デビューアルバムとベスト盤を含め、うちには4枚のLPがありました。学芸大学でひとり暮らしをしていた30代前半、ティン・パン・アレーやシティ・ポップ周辺のレコードをコツコツ集めていた時に手に入れたのですが、すべてのジャケットにしっかりと本人が(真顔で)登場されていて面白い。(中には写真集付きもあり、当時のレコード会社の売り込み方がよくわかります)
先日のコンサートではこの時と全く変わらない甘く切ない歌声に、僕も母もすっかり魅了されてしまいました。地声は普通に低音なのに、声変わりをする前の少年のように響くシルキーボイスは、生で聴くと本当にすごかった! (当時リアルタイムで聴いていた人たちは、そのまま学生時代にタイムスリップです)
さらに母が暮らす高齢者住宅で、いろいろと相談にのってもらっている主任看護師さんと会場でバッタリ! その方は学生の頃からコンサートに通っているそうで、うれしい出会いにときめきました。しかも僕らのすぐ前の席だったので、一緒に盛り上がることができて2度ときめきです!(母も存分に楽しんでくれて、それは充実のひと時でした)
12月になると山下達郎さんの『クリスマスイヴ』や、ユーミンの『恋人はサンタクロース』と同じくらい耳にする『クリスマスキャロルの頃には』も歌ってくれました。稲垣さんは山下達郎さんやユーミンと同世代の66歳で、3人とも素晴らしいクリスマスソングを残しているんだなぁとしみじみ。
最近は70〜80年代のシティ・ポップや90年代の渋谷系などが、音楽に敏感な若い人たちの間で高く評価されています。生音で演奏され、しっかり作りこまれた名曲には、時代を超えて人の心を揺さぶる魂(ソウル)があるのでしょう。娘もここで紹介した稲垣さんの3曲のサビは、かなり上手に歌ってくれます(笑)。さぁ、いよいよ来週はクリスマス。名曲を聴いて心がときめいたので、ちゃんと伝わるように想いを込めるつもりです。