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Mar 20,2020

『AKIRA』再読

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世の中の自粛ムードと同じく、この2週間はほぼ自宅で執筆をしております。とはいえ「心までマスクをしてはいられないゾ!」と意気込み、20数年ぶりに『AKIRA』を手に取りました。

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1巻が出版されたのは1984年。母の実家があった豊田の書店で、店頭に山積みされていた分厚い『AKIRA』を見つけたのは、僕が14歳の時でした。

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当時これほど大きなサイズのマンガは見たこともなく、小口に施されたビビッドな彩色や表回りの仕様など、すべてが新鮮で斬新。さらにマンガの時代設定が2020年の東京オリンピック開催前という予言めいた偶然も重なり、読み始めるとあまりのシンクロ率に本を閉じることはできません。壮大なストーリー展開と、解像度の高い大友克洋さんの緻密な線にすっかり魅了され、自身のエネルギーが途切れないよう1日1巻×6日で読み進めました。

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最終巻で、がれきの先にいつもと同じ太陽が光り輝く場面を見て、本当に胸がスーッとしました。再読でわかったことは、若い人たちの未知なるパワーを応援し、未来にエールを送っている作品なのだということです。子どもやお年寄り、偉い人や普通の人、頭のいい人、不器用な人、熱い人にクールな人...さまざまなキャラクターたちが知恵と体力を駆使し(武力や権力も行使し)、見えない敵と戦います。そして最後に残るのは、未来ある若者たちなのです。いやぁ、感動しました...。


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2012年の『大友克洋GENGA展』で修正跡がない世にも美しい原画を見て、震えた記憶が鮮明に蘇ります。マンガ『AKIRA』には、最新技術のCGアニメも敵いません。この勢いに乗って、週末も名作マンガを読もうと思います。ちなみに僕の祖父の名は「あきら」です。

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Author : Takahiro Koike