旅先から友人が絵葉書を送ってくれました。

旅の絵葉書をもらうと
どんな街のどんなおみやげ屋さんに並んでいたカードなのか
そして友人はどんな時間にどんな場所でこの手紙を書いてくれたのか
表と裏を交互に眺めながら想像します。
文面を読みながら、そうそう、この人はこういう字を書く人だったな、とか
それにしてもいつもより字が躍っているから相当楽しいのね、とか
書いてある内容より文字の様子のほうを追ってしまいます。
メールのやりとりが中心の今、不意に届く手書きのカードは
やっぱり特別なうれしさがあります。

学生時代から大好きな早稲田の喫茶店『CAFE GOTO』には
お客さんが旅先から送ってきたという絵葉書がカウンター上の壁にぎっしりと貼られていて
その奥で黙々とケーキを焼くご主人との構図も含めた風景には
素朴な焼菓子と同様に、じんわりと心に染み込んでくるような味わいがあります。
私はあの空間とケーキを味わえればそれで十分幸せで
20年も通っていながら、ご主人と親しく話したことはないのですが
あの壁に貼られている絵葉書たちは、実はちょっとうらやましい。
私も今度旅先から思いきって、お店宛に絵葉書でファンレターを出してみようかな。