縁側の外の軒は、リフォームのときに伸ばした部分がはっきり見えて
内側から見るとちょっとユニークな眺めです。

既存の軒が短すぎるので伸ばしたいと
建築家の渡辺貞明さんは初めて物件を見にいらしたときから言っていました。
和風建築の知識もなかった私たちは
この部分についてはお任せ、という感じだったのですが...

実際に暮らしはじめてみると、たった60センチ軒が伸びただけで
軒下はもちろん、縁側やリビング、ダイニングにいるときも
安心感がまったく違うように思います。
強い雨が降っても、軒が長いと縁側の窓が直接打ちつけられることはないし
真夏の日差しも軒がカットしてくれるおかげで、室内は涼しさが保たれています。

はじめてのリフォームに浮き足立っていた私たちは
この軒や、建物の基礎や、地盤強化のための工事など
目立たない部分に時間とお金がかかることに正直あまりピンときていませんでした。
今になって、現実の暮しの平穏を支えるのはきっと
こうした地味な部分なのだということを実感しています。
娘にとっては、この家が幼少期の記憶の舞台になっていくので
軒下に椅子とテーブルが置けるか、置けないかというのも
意外と重要な問題かもしれません。