今思うと音楽を好きになったのは「トムとジェリー」のおかげかもしれません。
劇中に流れるさまざまなアメリカの音楽が、無理なく自然に体の中に入ってきます。
僕が住んでいた東海地方では、ほぼ通年、休みなく再放送されていたため、
夕食前には必ず「トムジェリ」(「と」を省略するのがなぜか一般的)でした。
うっかり見逃すと翌日の話題に置いてけぼりで、これが高校を卒業するまでずっと続きます。(笑)
強烈な脇役群の中でも大人気のアンクルペコスは、ジェリーの叔父でカントリー歌手。
テキサス出身らしいヒルビリー調の独特な歌い回しは、時代を越えて笑いを誘います。
1940年代のジャズやカントリーのリズムと瞬発力のある笑いが一度に楽しめる「トムジェリ」。
僕の笑いと音楽の原点であるこの作品が、70年も前に作られたことが本当に不思議でなりません。