私の仕事部屋はキッチンの隣りにあり、いつでも家族は出入り自由のスペースなのですが、
〆切前に集中して原稿を書きたいときなどは、そっと扉を閉めておくことが
「ただいま仕事中」の札がわり、という暗黙のルールがあります。

そういうときにこの部屋にある資料などを夫が探しにくると
扉を軽くノックをしながら「失礼します」と静かに入ってきて、
部屋を出て行くときも「失礼しました」と声をかけるのを、娘が最近マネするようになりました。

基本的に、娘が家に帰ってきてからの時間や休日は
部屋にこもって仕事はしたくないとは思いつつ、ままならないときもあります。
そんなときは娘にも、そして娘の相手を頼む夫にも申し訳ないなぁという気持ちで扉を閉めるのですが
しばらくすると、コンコン、と小さなノックとともに「しつれいします」という娘の声。
それからなにも言葉を発しないまま（そのスタンスも夫を観察しながら心得たらしい）
本棚や机の上をそれらしく探すフリをして、またかわいい声で「しつれいしました」と退室。
そんな静かな遊び（？）が最近娘の中でひそかに流行っている様子。

部屋に残されたこちらは一瞬、いろんな思いが交錯して脱力状態に。
この遊び、内心ちょっと困っていますが、罪悪感もあるので怒れません。
完全に娘の戦略勝ち、です。