本を読むことと同じくらい、新しい(まだ持っていないという意味での)本を買うことと、
本屋さんと、本棚の眺めが好きなので、読む速度と買う頻度のバランスはいつだってとれていません。
でも自分で買い集めた本たちの背表紙を眺めながら
「この本は年末の帰省のときに持って帰って読もう」とか
「次回のハワイで読むのにいいかも」などと、
仕事の合間に棚を見上げてぼんやり考えるだけでもかなり楽しいのです。
夫もそういう人なので、本や古い雑誌だらけの我が家の引っ越しは本当に大変で
2年前の引っ越しでも、朝は動きも掛け声も元気いっぱいだった引っ越し屋さんの若者たちが
夕方になる頃には全員無言で、聞こえてくるのは
重い段ボールを担ぐうめき声だけだったのを今も覚えています。
きっと引っ越し屋さん的には「ハズレの家」だったに違いありません。
娘の赤ちゃん時代、自分の本を読む時間なんて全くなかった頃にくらべれば
今は仕事で都内に出かける電車の中など少しはあるのですが
まとまった時間はやっぱりないなぁと感じていたら
先日近所の市場で、八百屋のおばあさんと、馴染みらしい年配の女性客がおしゃべりをしていて
「年とったらあんなことしよう、こんなことしようと思ってずっとやってきたのに、
どれだけ年とっても時間なんて全然ないよね。忙しいったらありゃしない」と
溌剌としたハリのある声で、キャッキャと愚痴を言い合っているのです。
「えー!そういうものですか?」と思わず参加したくなりましたが
そのときもやっぱり時間がなかったのでやめておきました。
夫の昔のイラストから、本棚の話を書こうと思ったのに大分それてしまいましたが
結局、時間ができたらあれをしようこれをしようと思いをめぐらせること、
おばあさんになっても忙しくて暇な時間なんてないとボヤいていること、
どちらもそれなりに幸せなことなんじゃないかな?という話でした。