東海ツアー最終日夕方、高速道路が大渋滞で2時間以上ノロノロ運転になってしまいました。
車ではまるで別人のように眠り姫になる娘もさすがに寝飽きたという感じで退屈しはじめ
運転席も助手席も後部座席もなんとなくどんよりとした空気に包まれはじめたとき
夫が「じゃあとっておきのを聴こうか」と、このおはなしCDをかけました。
岸田今日子さんの『おはなししてよ かあさん』です。
1972年に制作されたレコードをCD化したもので
岸田今日子さんが3歳の娘まゆちゃんに歌ったりお話ししたりして聞かせた様子を録音した作品。
歌やお話の面白さに大人もこどもも引き込まれてしまいます。
自宅で寛ぎながら愛娘と接する岸田さんのやさしい声、そして3歳のこどものおしゃべりの愛らしさ。
映像がなく音だけだからこそ、その魅力がよりいきいきと、深く伝わってきます。
どことなくミステリアスな話が入っているのも大人にとっては面白いし
誰にも真似できない個性を持つ岸田さんの声と上品なしゃべり方はあらためて素晴らしいなと感じました。
こどもと一緒にこのCDを聴くだけで、とても豊かな時間が過ごせます。
娘もこちらが感心するほど集中して聴き、終わるとまた聴きたがる、そのくり返しです。
私としては、慌ただしく過ぎていく毎日が、実はかけがえのない時間なのだということを
この幸せそうな母子のやりとりを通じてそっと教えられた気分になり
娘との一瞬一瞬を、もっともっとていねいに過ごさなくちゃ、と思いました。
ちなみにCDのライナーの岸田さんの文章も、とても感動的です。