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May 05,2013

GWの多崎つくる

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GWは普段ほど早起きはしていなく、でも昼間はなんだかんだとやることがあるので
めずらしく夜更かしして読書やビデオ鑑賞という日が続いています。
買っておいた村上春樹さんの新刊も、ようやく落ち着いて読むことができました。

『世界の終りとハードボイルドワンダーランド』や『ねじまき鳥クロニクル』『1984』のように
彼の長編特有のめくるめくエンターテインメント性やずっしりどっしり感はありませんが
こじんまりとまとまったボリュームの中に、10代の友情の儚い輝きと
大人になってからの喪失感の対比がせつなく繊細に描かれていて、好きな作品でした。
私は『国境の南、太陽の西』や、とくに『スプートニクの恋人』は大好きな作品なのですが
作品のカテゴリーとしてはその辺りに位置づけられる感じでしょうか。

それにしても村上春樹さんの文章の巧さといったら、読んでいるだけで
素材も作りも極上のソファに身をゆだねて目を閉じているような、なんとも贅沢な気分になります。
普段の週末が何日か続いているだけというような、たいして特別感のないGWでも
村上春樹さんの文章(というソファ)に束の間身を沈められただけで、十分満足です。

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Author : Nao Ogawa