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Dec 18,2013

旅に持って行った本

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ハワイでやったあんなこと、こんなことの中で何がいちばんよかったか、
夫婦でお互いの感想を言い合ってみました。

私の方は、「海辺で読書」( → BLOG『Waikiki Beach』)。
砂浜にパラソルを立て、その下にデッキチェアを置いて、
ハワイ特有のそよそよ風に吹かれながら本を読み、
いつの間にかちょっと昼寝して、また目覚めて本を読んで...という午後。
このとき私は心の中で、「これよ、これ!私が今年ずっとやりたかったことは!!」と叫びながら
なんともいえない幸福感に包まれていました。

旅に出る前、持って行く本を決めるのは悩ましくも楽しい作業。
今回持って行ったのは、演出家の久世光彦さんが
向田邦子さんとの20年の交流を振り返ったエッセイ『触れもせで』と、
ポール・オースターの『トゥルー・ストーリーズ』。
どちらも悪くないチョイスだったようで
とくに『触れもせで』は、久世さんの文章とエピソードの構成の上手さに唸り、
その筆を通して語られる向田さんの粋な女性っぷりに唸りで、
ハワイの海辺で1人唸りっぱなし。
それで海遊びから夫と娘が帰ってくる度に、「ねぇねぇ、向田邦子さんてね...」と、
いま読んだ内容をしゃべって聞かせる(そして適当に聞き流される)時間が最高に楽しかったです。
もう一冊の『トゥルー・ストーリーズ』は読了はできませんでしたが
ミラクルな実話を集めた内容が旅先で細切れに読むのにちょうどいい感じでした。

旅に持って行く本の条件は私の場合、内容が重くなく(これは絶対)、
かといって軽すぎず(あまりにもすぐ読み終わる本も荷物が増えます)、
適度な読み応えと展開で引き込まれる感じがあり(淡々としすぎていると寝ちゃって前に進めない)、
本を閉じた後に心地よい余韻がありそうなもの。
未読の本が果たしてその条件を叶えているかどうか、見極めるのはもちろん難しいのですが
悩みに悩んだ末に選んだ本にハズレがないと、旅の満足度がそのぶん上がるので、
出発前は毎回真剣勝負です。

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Author : Nao Ogawa