
ウィルコ・ジョンソンは、僕がいちばん大好きなイギリス人のギタリストです。シャープなカッティングと独特のギター奏法は、当時18歳のロック少年の心をつかみました。大の親日家でこれまで15回以上来日し、10回近く彼のライブを見てきました。震災の起こった翌月にも余震の中「日本が心配」と急遽来日し、ライブを決行しています。
そんなウィルコですが、2013年1月に末期の膵臓がんを宣告されます。「最後にどうしても日本へ」とウィルコはさよならツアーを行いました。しかも、自らもライブのチケット代を払い、売り上げはすべて東北に寄付しています。→ Farewell Tour
化学療法をせず、ステージに立つことを選択し、イギリスでもライブを重ね、昨年のフジロックにも来日(写真はその時のもの)、その後レコーディングまで。来月には新しいアルバムを発表し、とうとう3月に来日公演を行います!

ウィルコのギターを初めて聴いたのは、ドクターフィールグッドというバンドです。奥にある1stアルバムは浪人時代の名古屋で。初めて聴いて本当に雷が落ちたことをよく覚えています。手前の2ndアルバムは上京したばかりの下北沢で。この2枚のアルバムは全部ギターでコピーしました。大学生のときに初めて組んだバンドでも演奏し、今のバンドでもスタジオでよく演奏しています。

ウィルコはピックを使わず指でギターを弾くため、若いとき指先が弦でよく切れたそうですが、それを隠すために、ピックガードをマニキュアで赤く塗ったといわれる黒いギターがトレードマーク。お客さんを喜ばすために、カニ歩き奏法や開脚ジャンプ、ギターを女性やマシンガンに見立てたり...。いつ見ても笑いの絶えない大道芸のようなステージで、みんな思わず笑顔になってしまいます。

デビュー前に高校の教師をしていた読書家のウィルコ。音楽の素晴らしさはもちろんですが、演奏にはいつも紳士的なウィルコの目線があって、そういうところが彼を好きな理由です。

いい笑顔のウィルコ。人柄のよさがにじみ出ています。
この笑顔がステージに立つと豹変。友人のイギリス人は、彼のことを「psycho」と呼んでいます(笑)。ライブでは必ずスーツを着用しているところも好きです。Voを務めるリー・ブリローの気迫もすごい。
2013年の1月に来日した時のウィルコ。(みんな本当に楽しそうです!)
さらに日本のファンのために、自らのギター奏法を解説してくれたりも。

覚悟を決めた人間ほど強いものはありません。
毎日を楽しく本気で過ごすと、ウィルコのような濃密な人生が送れるのだと心の底から思います。
