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Mar 24,2014

ジャレッド・レトの受賞スピーチ

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週末、録画しておいたアカデミー授賞式のダイジェスト番組を見ました。
私は毎年こういう番組でハリウッドスターの晴れ姿を眺めるのを楽しみにしているのですが
今年のアカデミー賞は、女優さんのドレスよりなにより、受賞者のスピーチの素晴らしさが印象的でした。
なかでもいちばん感動したのが、『ダラス・バイヤーズクラブ』でトランスジェンダーの役を熱演し
助演男優賞を受賞したジャレッド・レトのスピーチ。
名前を呼ばれてステージに上がった彼は、オスカー像を受け取り、
アカデミー協会などにお礼を告げた後、落ち着いた声で語り始めました。

"In 1971, Bossier City, Louisiana, there was a teenage girl who was pregnant with her second child.
She was a high school dropout and a single mom,
but somehow she managed to make a better life for herself and her children."

「1971年、ルイジアナ州ボージャーに、二人目の子どもを身ごもった十代の少女がいました。
彼女は高校を中退したシングルマザーでした。でも、
二人の子どもたちとともになんとか人生を向上させようとしていました」

"She encouraged her kids to be creative, to work hard and to do something special."

「彼女は子どもたちを励ましました。
『クリエイティブでいなさい。一生懸命働いて、何か特別なことをしなさい』と」

That girl is my mother and she's here tonight.
And I just want to say, I love you, Mom. Thank you for teaching me to dream."

「その女性が、今夜この会場に来ている僕の母です。僕はただ母に言いたい。
愛しているよ、母さん。僕に夢見ることを教えてくれてありがとう」

十代でシングルマザーとなり、兄弟を育て上げたというジャレッドのお母さんは
銀髪に赤いルージュの映えるとても美しい女性で、
その母親をまっすぐに見つめながらスピーチするジャレッドの姿に涙が止まりませんでした。

若くして、女手一つで子育てをする決心をした彼女は、苦労もしたでしょうし、
息子たちもずっと真面目ないい子で成長してきたわけではなないかもしれません。
でも、息子が42歳で仕事で大きな評価を受けたときに
感謝の気持ちを真っ先に自分に向けてくれたのなら
その瞬間にすべて報われたのではないでしょうか。
これ以上ないほど晴れやかで誇らしそうな笑顔を浮かべたお母さんを見ながら
子育てというものの長さと奥深さについて考えた夜でした。

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