あのひとに会いたい。会っていろんな話をしたい!ただそれだけを目的に
まず尾道へ、それから京都という流れで旅してきました。
たった1泊2日。なのにまるで一週間ぶりの帰宅のような気がしてならないのは
それだけ旅の内容が濃く充実していたからに違いないのです。
今回の旅で、出発前から私が意識したキーワードは「身軽であること」でした。
どちらの街でも、やりたいことや行きたい場所に対して時間があきらかに足りない。
ならばできるだけ身軽に効率よく移動しようと考え、
その手段としてとてもよかったのが、レンタサイクルを利用したことでした。
尾道は一日500円、京都は一日1000円。
到着早々に駅前で借りて、街を自転車で駆け巡り、夕方返すというシステムがあまりに快適で、
旅のスタイルのあたらしい扉がこれをきっかけに開いたような気さえしています。
「身軽化計画」のもう一つは、荷物や衣服を文字通り軽量にすることでした。
旅の目的が明確だったので、そのために必要なもの以外は最少限にしたかったのです。
とはいえ遠くに住む友人との再会におしゃれはあきらめたくない。
だから自分が持っている服の中で、もっとも軽い生地で、シワが気にならず
好きなデザインのものを、出発前にクロゼットの前でうなりながら選んだのでした。
さらに化粧品はすべて一泊分だけを容器に小分けにしたり、
「ただなんとなく」入れてしまいがちな予備の下着類なども思いきって荷物から外したら
いつもは一人分で埋まってしまう旅行鞄に、夫の分まで入ってしまいました。
やればここまでできるんだとわかったのも収穫だったし、
身軽だとそのぶん旅の濃度が増すような気がしたことにも驚きました。
体が軽いと、不思議とそれだけで気持ちが「次へ、次へ」と前向きになるのです。
尾道と京都の友人たちとそれぞれ交換しあったおみやげも、
どれもこじんまり小さくて愛らしくて、やっぱり彼女たちとは波長が合うと感じました。
そして対談はいつまでも話が尽きず、中身も濃く深く、期待をはるかに超える手応えでした。
秋の新刊に掲載してみなさんに読んでいただける日が、今から待ち遠しいです。