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Aug 26,2014

本を読む時間

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私がこれほど本を読みたくてたまらないのは、おそらく数年前にくらべると
ずいぶん本が読める状況になってきたからだと思うのです。
今でもふと思い出すのは、まだ娘の授乳時期だったころ、
本好きの友人が「あまりにも面白いからぜひ読んで。読まなきゃ損!」と言いながら貸してくれた小説が
1ページも読むことができず(時間的にも気力的にも)、しばらく借りたままでいたら、
また友人が「いま貸したのが間違いだった。ほかの人に先に貸すから」と言って
持ち帰ってくれたこと。あのときは、いま自分は本が読めない身であることを痛感したと同時に
少しでも楽しみを分けてくれようとして、でもその後思い直して、
私の負担にならないように持って帰ってくれた友人の心遣いがありがたかったです。

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娘はまだ一人ですいすい読めるまでにはなっていませんが
ときどき自分で本を開いて、ゆっくりと声に出して読み上げる姿を見かけるようになりました。
たぶん今はまだ「本を読んでいる仕草」に憧れ、真似している様子(笑)ですが、
それはそれで、なにも間違っていないと思うのです。
だって本を読むことって、とても身近で簡単にできる、胸躍る楽しい作業ですから。
だからこそ、それができない授乳期は、なんともいえない焦りやさみしさを感じたように思います。

今の私の読書は、仕事とプライベートの垣根がほとんどなくて、
資料として読みはじめたつもりの本でも、一過性ではない収穫が得られることがとても多いのです。
先日も、読了した本を無造作に並べていた本棚をなにげなく見たら
その背表紙の並びはとてもいい眺めで、つまり充実した読書体験をもたらしてくれた作品ばかりで、
なんだかすごく満ち足りた気持ちになりました。
今はポーズだけは一人前(笑)のこの娘と、
本を読んで内側から満たされる、この独特の感覚を、早く共有したいものです。

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Author : Nao Ogawa