一日フルに使えるのはいよいよ最後となった5日目、気持ちよく晴れた土曜日です。
前日にチャペルストリートのアンティークモールで買ったネックレスをさっそくつけたら
夫や娘にほめられて朝からいい気分。
後述しますが、この日は夜遅くのイベントに参加するため
それまで体力を残しておかねばということで、朝からどう過ごすかを思案していましたが
街を散策中、偶然看板を見て興味を引かれたマーケットへ出かけてみることにしました。
一日目にやってきたフィッツロイの、住宅街にある小学校で行われるフリーマーケットです。
場所は、スミス・ストリートと、三日目に歩いたブランズウィックストリートの
ちょうど中間あたり。土曜朝の静かな住宅街をてくてくと歩いて向かいます。
校舎の中と校庭をつかって、たくさんの出展者が店を開いていました。
古着、帽子、雑貨、アクセサリー、レコードや本......
考えてみれば、メルボルンに着いたのが月曜夜で、その週末の日曜午後には発つため
週末のマーケットに参加できるのはこの日だけなのでした。
規模は大きくはないけれど、センスのいい人たちが多く出展していて
全体的な質はいい感じ。お買い物気分が盛り上がります。
私はこのたった10ドルのサマードレスを買おうかどうしようかとしばらく悩みましたが
日本に帰ってからのコーディネートイメージがちょっと難しくて、結局断念。
やっぱりその土地ごとに似合う色や柄というものがあり、
このプリントはメルボルンの光と風景にこそ映える服だなと思ったのです。
代わりにとても引きつけられてしまったのが、このアクセサリー屋さん。
穏やかな笑顔が素敵な女性から、インドで買い付けたというネックレスとリングを購入。
校庭にある遊具で遊ぶこどもも多く、娘も一緒になって楽しそうに過ごしていました。
夫もレコードを探したり古いボードゲームを買ったりして、気づけばもうお昼。
会場を後にして、スミス・ストリートで昼食を取ることに。
お目当てのオーガニックカフェが満席で、数軒隣りにあるデリ&レストランに入りました。
とても広いお店でしたが店員さんの応対もきびきびしていて、気持ちのいい時間が過ごせました。
夫はバーガー、私と娘は豆のフリッターのプレートと自家製パンをシェア。
フラットホワイト(カフェラテ)が、どこで飲んでも美味しいのです。
普段コーヒーはブラック派ですが、
メルボルンで飲むロングブラックはけっこう酸味が強くクセがあるように感じて
途中からミルク入りにしていました。
CBDに戻ると、かなり激しい夕立に遭遇。
小一時間デパートをぶらつくなどして雨宿りをしていたら、雨が上がりました。
ふぅ、ひと安心。だってこの日の夜は〈WHITE NIGHT MELBOURNE〉という
街を上げての夜通しのお祭りがあるのです。
夕立が上がった後の街はちょっと蒸し暑くて、冷たいもので一服。
一度ホテルに戻って休憩して、夜のお出かけ。メルボルン最後の夜だし
その後に予定もあるので、この日くらいはとホテル近くのギリシャレストランへ。
毎日この店の前を通りながら、家庭的な雰囲気で良さそうだなぁと思っていたのです。
果たして、その予感は的中でした。とても美味しくて居心地のいいお店だったのです。
頼んだのはタラマサラダと自家製ピタブレッド(あまりに美味しくておかわりも)と...
タコとセロリのマリネと...
シーフードの盛り合わせ。種類ごとにグリルやフライやソテーやボイルなど
調理法が変えてあって、シンプルだけれどとても印象に残る一皿でした。
お店の人もとてもフレンドリーで、娘にまで優しく接してくれました。
「何て言う名前なの?ミチル?あなたみたいに美しい名前ね」
なんて言ってもらい、娘は大喜び。
次にメルボルンに来たらまたこのレストランに来たいねぇと言いながら通りに出ると
中心部のメインストリートはすでに歩行者天国に。いよいよお祭りのスタートです。
この夜のためにメルボルンに集まってくる人も多いようで、街は花火大会の夜のよう。
劇場が開放されるなどさまざまな催しが行われていましたが、私たちが目指したのは......
LAKE STREET DIVEの野外ライブです。このレポートについては夫に任せますが
めちゃくちゃいいライブで、娘も最前列で本格的なライブを見るという初めての体験をしました。
ライブが終わって通りに出ると「お祭りはまだまだこれから」というエネルギーでいっぱい。
でも早寝早起きの私たち、22時を回るとさすがに疲れてきて......
フリンダーズ駅のプロジェクションマッピングの名残を見上げながら、帰途につくことに。
旅程を決めた後で知った、この〈WHITE NIGHT〉というイベント。
予想以上に大規模で、旅の最後の夜の記憶を華やかに彩ってくれました。