
もう3年近く前、このホームページを立ち上げたばかりの頃に
そのちょっぴり厄介な性格について書いたリビングの壁掛け時計。→ BLOG 「飄々とした時計」
『sketch 2』の「待ち時間のこなしかた」にもイラストが登場したほどお気に入りの品ですが
実は昨年の暮れ頃から、だんだん「スリリング」などと笑っていられない状態になっていました。
遅れがちなのを見越して10分進めておいたつもりが、数日後には30分以上も進んでいたり、
それを直そうと針を動かすと、今度は機嫌を損ねたように止まってしまったり。
年代ものなので、修理に出せば値段がかかることは予測がつきましたが
何よりデザインが大好きだし、直るなら直してもらって使い続けようと
時計屋さんに修理に出すことにしました。
駅前にある、明治時代の創業だという時計屋さんに持っていくと、
いかにも機械いじりに強そうな私と同年代の男性(何代目にあたるのでしょう?)が
時計を裏、表、と何度も返しながら「ははーん......なるほど。うん、大丈夫。
ここをこうしてこうすれば、ちゃんと直りますよ」と落ち着いた表情で言いました。
量販店などでは、品物を預かってからメーカーに確認して返事、というのが常ですが
こうして実際に作業してくれる人と直接やりとりができるって
なんて話が早く、そして安心なんだろう!と妙なところで感激してしまいました。
そしてたった2、3日で、新しいムーブメントに交換してもらったこの時計は
健やかな表情(に見えたのです)で再びリビングの柱に取り付けられたのでした。
この時計屋さんのたしかな仕事ぶりと不思議な安心感にすっかり魅せられた私は
直った時計を受け取りにいったついでに「あのー、照明も直せたりします?」と相談。
娘の部屋づくりのために照明を取り替えようと思い立ったとき、
そういえば前の家で夫の部屋に下がっていたランプが点かなくなったまま
納戸の天袋にしまわれているのを思い出したのです。
時計屋さんに照明の修理を相談するなんて、ちょっと非常識かしらと思いましたが
相手は「じゃあ、持ってきてみてください。直せそうだったら直しますよ」と
自信たっぷりの返し!
それから数日後、何年間も壊れたままだった照明もちゃんと直って
無事に娘の部屋に取り付けられたのでした。
愛着あるものを修理して使うのって、新しいものを買うのとは全然別のうれしさよね、と
夫に報告したら、今度は彼が「ひょっとして僕のラジカセの修理も頼めるかな」と
言い出しました。件の敏腕時計屋さんにダメもとで聞いてみると、
「さすがにラジカセは難しいかなぁ〜」と苦笑しながら、お断りされました。
あらら、残念......でもまぁ、そりゃそうだよね、と二人で笑ったのでした。
