台湾を僕が訪れたのは会社員時代以来、16年ぶりになります。ちょうどミレニアムの頃で、2000年を祝うカウントダウン・クロックを台湾で作っていました。毎日台北のホテルから桃園にある工場に通い、パートのおばさんや学生たちと働きながら食事を共にし、夜は工場のオーナーたちと家庭料理や夜市に連れて行ってもらいました。みんながニコニコと話をしている姿を覚えています。
漢字の看板がひしめく街の雑踏や、
原付バイクが疾走する道も、いまだ健在。
混沌とした裏通りも当時と変わりなく、懐かしい気持ちが込み上げてきます。
古い建物はしっかり残っていて、独特の味わいがあり、
夕暮れ時の商店街の灯りには、やはり心躍りました。
暑さを物ともせず、アツアツのお粥や小龍包、鍋をモリモリ食べながら、
キンキンに冷えたかき氷をいただく、シンプルかつパワフルな食事は、
ダシやエキスが濃厚で、スーッと体の奥底にやさしく届くものばかり。
僕らの旅は迷うことなく、体が欲する食べもの中心の旅になっていきました。