連載中の「思い出の味」で、声優の増岡弘さんを取材しました。
名前と顔をご存じない方でも、増岡さんの声は誰もが知っていると思います。

そう、『サザエさん』の夫マスオさんです。28歳のマスオさんを42歳から30年以上演じ続けている秘訣は、日々欠かさない発声練習なのだそう。毎週行う収録では当日渡された台本にサッと目を通し、すぐに本番。もちろん代わりはいないので、風邪を引くことも休むこともできません。
収録にはいつも手作りのお弁当を持参する増岡さん。畑で50種類もの野菜を育て、毎年自家製の味噌を仕込み、趣味の陶芸を楽しみながら、若手を育成する劇団を主宰しています。

「人生の基本は夫婦仲がよいこと。愛情はかつてあったからといって、
今も必ずあるものではありません。愛し続ける努力のことを愛情というんですね」
サザエさんを一途に愛するマスオさんの言葉に、僕は大きくうなずきました。
増岡さんのインタビューは、現在発売中の『栄養と料理』12月号に掲載されています。