週末もアトリエにこもって仕事を続ける夫が、休憩で一階に降りてきたと思ったら
縁側で、娘を膝にのせ、トナカイのカチューシャをして、絵本の読み語りをしていました。

目の前でページがめくられていく絵本の文章が
頭のすぐ上から声となって聞こえてくる感じって、いったいどんなふうなのでしょう。
私自身にはこうして絵本を読んでもらった記憶が残っていませんが
きっとこの時間は何らかの形で、娘の体内に刻まれていくのではないかなと
二人の風景を見ながら思いました。

このトナカイカチューシャは、まだ娘が生まれてくる前に
たしかクリスマスツリーと一緒に買ったもので、オーナメントの箱にしまっているため
毎年ツリーを出す時期になるとリビングに転がっているという代物。
おなじみのアイテムだけに、これを装着したところでもはや家族間ではスルーですが、
疲れたときになにげなく着けてみると、その後、無防備に鏡を見た瞬間に
自分の姿にちょっとびっくりして、ふっと笑える、そんな小道具です。