『心地よさのありか』についての感想が、読者の方や友人から届くと
これまでの作品には見られなかった意見が多く、なんだか新鮮な気持ちです。
よく聞くのは「テンポがよくてあっという間に読んでしまった」という声。
実は今回、文章のリズムやテンポはこれまで以上に強く意識しました。
「読んで心地よくなれる本」を目指しながらも
「時間や心にのんびりと余裕がないと読めない本」にはしたくなかったのです。
むしろ慌ただしい日々のなかでもこの本を手に取り、読もうと思ってくださった方に
短い時間でぐっと本の世界に集中していただけて
それでも本を閉じたときには「一冊の本を読み終えた」という満足感や達成感、
読書が心と体にもたらす心地よい重みのようなものをいっしょに届けられたらいいな、
という思いがありました。
だから「本を読む時間はいまの自分の生活にはない」と感じている忙しいひとにこそ
読んでもらえたら、とてもうれしいです。
ほかにも複数の方からいただいておもしろかったのは
「ヨガみたいな本」ということばでした。
じんわり効いて、読み終わった後にスッキリ爽やかになる感じを
ヨガにたとえてくださるようです。
本のなかにも、わたしとヨガの関係の話があちこちに登場しますし、
現在の暮らしにおいてヨガはかけがえのないものになっているので、
そんなふうに表現していただけるのは、とても光栄です!
文章を磨いていく作業は、この先もずっと続いていくゴールのないものだし
作品ごとに、自分のなかでひそかな目標をたててチャレンジすることを繰り返していけば
わたしは一生この仕事をおもしろがりながら続けていける、そんな気がしています。
ところで、夫に続いてわたしも星野源さんの新刊(→ BLOG)を読みました。
生きるうえで、また仕事において、心がけていること、以前はやっていたけどやめたこと、
憧れるひとや大好きなひとのことと、その理由が誠実なことばで綴られていて、
あらためて星野源さんが大好きになりました。
本屋さんにいくたびに、こうして読みたい本が何冊もみつかるし
つくる側としても読む側としても、本がますますおもしろい! と感じています。
そしておもしろい本屋さんも、あちこちに。
これからの季節は、本を探しに街へ、本を持って外へ!ですね。
*イラストは『心地よさのありか』第一章に収録のエッセイ「『やめる』心地よさ」の挿画。
本を書く生活に突入しているいま、何より夢見ているものもまた
暖かな草の上に寝転んで読書する時間なのです。