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Jun 22,2017

針仕事のタイミング

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娘の新しい服が、一着、また一着と、順調に出来上がっています。
学校から帰ってきて、縫い上がったばかりの新しいワンピースが
ハンガーに吊るされダイニングのカウンターに掛けられているのを見た瞬間、
最高の笑顔で「きゃあ!」と大喜びしてくれる小学3年生。
この反応がもらえるあいだは娘の服をつくろうと思っている今日このごろです。

といいつつ、娘からどれだけ催促されても
いまはソーイングどころではないという状態が一年のほとんどを占めるのが現実で、
わたしにとって針仕事は、大きな仕事が終わり、その疲れを癒すための儀式なのかな、
などと自己分析してみたり。
または、一枚の布に向かい、まずパーツに切り分け、
次に縫い合わせながら洋服という形にしていく、
その工程がたったひとり自分の手の中だけで行われる、
しかもはじまりから終わりまで数時間、あるいは細切れでもせいぜい数日で終わるというのも
企画から出版までたくさんの方と協力しあい半年以上かけてやる本づくりを終えた後には
清々しいほどミニマルで、爽快な気分になるのです。
ひとりでつくり、ひとりに喜んでもらって成立する「最小単位の制作」というものに。

自分には似合わない華やかな色や柄でも、不思議なくらい子どもには似合うので
そうした布で服をつくり、娘が着ている姿を見て心が満たされる、
そんな「眼福」ももちろん大きなモチベーションになっています。
あとは「やらなくても誰も困らないことをやる(やれる)」という贅沢。
年に1回、せいぜい2回かなぁというタイミングでしか訪れない
わたしの針仕事週間ですが、その貴重な1回がいま、なのかもしれません。

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Author : Nao Ogawa