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Aug 22,2017

奈良美智展 in 豊田市美術館

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娘と奥さんと母と僕の4人で、奈良美智さんの展覧会に行ってきました。豊田市美術館はもう何年も前に両親と訪れて以来で、奥さんと娘は初めての訪問です。その佇まいをずっと見せたいと思っていた、とっておきの美術館です。

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奈良美智さんの展示は僕らも初めて。入り口に佇む大きな立て看板に気持ちは高ぶります。(展示スペースは撮影ができませんので、ここからは美術館の風景をお楽しみください)


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入ってすぐに迎えてくれたのは、壁一面を飾る324枚のLPレコードでした。(僕が持っているレコードも何枚かありました)奈良さん自身が選曲したという会場内の音楽が、ピュアな作品群をさらに盛り上げます。

訪れた人の誰もが体験する作品との濃密な対峙。1対1で向き合うことができる贅沢この上ない空間と距離、観るものの懐にすうっと入り込んでくる作品を間近で観て、胸がいっぱいになりました。

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喜びと哀しみと安らぎが同時に襲ってくる(しかも切なさがその日の気分と絶妙にマッチし)この場所でしか味わえなかったに違いない幾層にも重なる感情は、やがて歴史ある教会や寺院にいるような荘厳なやさしい気持ちへと変わりました。まるで巡礼者のように、何度も通う人が多いというのも納得できる力強い展示でした。


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個人的には「No Means No」の前に置かれたbloodthirsty butchersの吉村秀樹さんのギターケースに、(不意に目の前に現れたこともあり)いろいろとこみ上げるものがありました。最後に登場する「Midnight Truth」も震えるほど素晴らしかったです。


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ミュージアムショップで手に入れたのは『ユリイカ』増刊号(版元の青土社には、新卒で履歴書を送ったことがあります)と、段ボールの装丁がカッコイイ『疾駆』9号。どちらもインタビューがあまりにも面白くて、何度も読みたくなる素晴らしさ!


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本展覧会のタイトルは「for better or worse(良いときも、悪いときも)」。展示の光景を思い起こすだけで、今もじんわりと胸が熱くなります。

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Author : Takahiro Koike