オーストラリアの雑誌『frankie』が発行しているインテリア別冊『SPACES』の
最新号vol.4を手に入れました。
資料としての購入でしたが、中身を見はじめるやいなや、
最近落ち着いていたインテリアへの好奇心がむくむくとふくらんできて......
そうそう、こういう部屋が好きなの!
そしてこの部屋の住人はこういう人たちなのね、なるほど、やっぱり!
とひとり興奮しながらページをめくってしまいました。
夫にも見せて、なぜわたしたちは「この雰囲気」が好きなのか、意見交換しました。
家に、部屋に、小さなコーナーや道具にさえ、
住人の暮らしと仕事と趣味がはっきりと反映されていて、
こだわりを感じながらも風通しがよく、地に足のついた落ち着きが感じられること。
そして整っていながら、生活感と体温があること。
自分が心惹かれるものと出会うと、自ずと目指したいものが見えてくる感覚を
ひさしぶりに味わいました。
もう一冊、数年前に流浪堂で購入した、1960年代のハードカバーの大型洋書本、
『HOUSE & GARDEN BOOK OF MODERN HOUSES & CONVERSIONS』も
インテリアの刺激が欲しくなったときに教科書のようにめくっているお気に入りです。
ボーエ・モーエンセンの自邸や、フィリップ・ジョンソン邸など
著名な建築家やインテリアデザイナーの住宅の写真や間取り図が収録されています。
オールカラーではないのがちょっと残念な気もしつつ、
でもモノクロ写真だと、そのぶん家具のシェイプが際立つように思います。
家具は名作デザインのものが一番、という考えではけっしてありませんが
この本を眺めていると、やはり名作と呼ばれる家具にはそれだけの力と美しさがあり、
そのパワーを50年以上も前の写真がしっかり伝えていることに感動します。
『SPACES』と比較すればこちらはぐっと高級住宅揃い(なかには高級すぎて
現実味がない家もある)のですが、それでもページをめくっているうちにふと手が止まって、
いま自分が暮らしている家の、あの場所をもっとよくできるんじゃないか、
といった課題点が浮かび上がってくる瞬間がたびたび訪れます。
どちらも洋書で、買うときは一瞬ためらう価格でしたが、でもやっぱり買ってよかった!
こういう本との出会いもまた、かけがえのない体験です。