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Feb 27,2018

横尾忠則さん インタビュー

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『Pen』の手塚治虫特集で、憧れの画家横尾忠則さんをインタビューしました。展覧会で作品には何度も対面してきましたが、ご本人に直接お会いしたのは初めてでした。1960年代からデザイナーとして時代を駆け抜け、36歳でニューヨークのMoMAで個展を開催、70年代後半は時代を先取りヒッピーカルチャーやインド、精神世界に向き合います。45歳でデザイナーの仕事を潔く捨てて、画家宣言をします。

初期のヴィヴィッドな作品などから時代の寵児といったイメージがありますが、生い立ちや近著を読み進めるうちに、横尾さんの考えや生き方に大きく頷くことが多く、次第にインタビューをするのが楽しみになっている自分がいました。実際の横尾さんは、どこまでもソフトで穏やか。言葉を探しながら、丁寧かつ的確に伝えようとする真摯な姿勢にも感激。もう、これまで以上に大好きになりました。


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写真集『記憶の遠近術 篠山紀信、横尾忠則を撮る』は、今回取材をするきっかけになった一冊。


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憧れの著名人に横尾さんが会い行き、それを篠山さんが撮影するという企画で手塚治虫さんとの2ショット(左ページ)を見つけました。他にも田中一光、永井一正、亀倉雄策、和田誠といったデザイナーたちの若かりし姿や、石原裕次郎、浅丘ルリ子、高倉健、美輪明宏、さらに澁澤龍彦、柴田錬三郎、唐十郎、深沢七郎、カルロス・サンタナ、三島由紀夫まで、錚々たる面々が登場。

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中でも公私ともに仲良しの瀬戸内寂聴さんとの2ショットは微笑ましいです。(撮影は1976年)この写真集を見ると、横尾さんはどなたにも好かれそうな人なんだなぁと思ってしまいます。

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作品集『冒険王 横尾忠則』も充実の内容です。

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特にデザイナー時代の原画や版下、トレーシングペーパーの色指定紙が掲載されているところが好きです。僕が大学を出て働いた頃、出版社はまだトレペに版下の時代でした。写植を「サシ」と呼ばれる平行定規、プロ用のカッターナイフ、ピンセットで切り貼りしていました。その数年後には版下入稿からPC入稿に移行したので、今となっては貴重な体験です。


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作品や画材が無造作に置かれた成城のアトリエで、午前の柔らかな日差しを浴びながら過ごした濃密な時間は、僕にとって歴史に残る貴い体験でした。取材の時間が少し余ったので、絵の向き合い方や日々の過ごし方についても伺ってみました。作品集や著書をたくさん持参したことにも、横尾さんはとても喜んでくれました。スタッフの方が出してくれたお茶が、僕も持っている谷内六郎さんの湯飲みで出てきたのがうれしかったです。取材後には玄関の外まで一緒に出て来て、僕らを笑顔で見送ってくれました。

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寺山修司に気に入られ天井桟敷の創立メンバーになり、三島由紀夫に気に入られ自決する3日前に電話で話したという横尾さん。現在81歳。いやぁ、カッコいい。横尾さんのインタビューは、全国書店で発売中の『Pen』に掲載されています。ぜひ!→ Pen

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Author : Takahiro Koike