昨日の益子遠征はインタビューの仕事で、素敵なお店や器を見て回る時間は残念ながらありませんでした。
でも高速バスの窓から見える風景が、益子に近づくにつれて木々の緑色と土の茶色が深く濃くなってきて
それを眺めているだけでも目から体、そして心が静かに癒される感覚がはっきりありました。

都心から帰ってくると我が家も十分田舎ですが、やっぱり益子まで行くとスケールが違います。
流れる空気自体がゆっくりしていて、インタビュー相手の方が、昔は楽しかった東京暮らしが
年々しんどくなって数年前にここへ移り住んだ、と語るその気持ちがわかる気がしました。

それで写真がなぜ小津安二郎のDVDボックスかというと、往復5時間の高速バスの中で
久しぶりにゆっくり頭を休めながら、今自分がやるべきことについて考えたからです。

小津安二郎を見直すのは一つのイメージで、つまりこのDVDボックスを買った頃のように
年2回の繁忙期の後、約１ヶ月ずつのんびり過ごしていた以前のサイクルを取り戻すこと。
旅に出るのはもちろん、仕事をしながらでも、映画を見たり本を読んだり
あとヨガをしたりして、心身をリセットしながら次への準備をするのです。
今年はやっぱり休まなさすぎて、このまま1年を終えることは来年のためによくない気がしています。

連休明けにはとうとう著書が発売になり、もう一冊の書籍もそろそろ手を離れようとしています。
ちょうどそんなタイミングで駆け足で訪れた益子は
「自分のサイクルを取り戻しなさい」とそっと教えてくれるような場所でした。

さて、明日のブログでは、いよいよ週明けに発売が迫った
新刊「家がおしえてくれること」の予告記事を書きます。お楽しみに！