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Mar 17,2014

Wilko Johnson Farewell Live

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人の生命力は本当に強い! そう感じさせる濃密で感動的なライブでした。
昨年に末期のすい臓がんを公表しながら、ステージに立つことを選んだウィルコ・ジョンソン。→ BLOG

医師から余命を宣告されたとき、自分で思ってもみなかった反応を示したそう。
「これほど生きているって実感したことはない激動の年だった。これまで問題だったこと...請求書や将来の不安や、過去を変えたいとかいう思いは、もうどうでもよくなったんだ。僕にとっては、もはやなんでもない。今を受け入れている。僕はここに座って、庭にあるあの木を1日中見ていられるよ。美しい、ゾクゾクさせられる。何もかもが僕の中に染み込んでいくんだ。素晴らしいほどの高みに到達し、強烈に生を実感している。みんな今ある瞬間を生きなきゃいけない」

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体調を懸念し、一度はライヴ活動から身を引こうと決意。春にサヨナラツアーを行なったが、夏には再びステージに復帰した。わずか数ヶ月のリタイア生活だったが、ライブをしないことで「さらに調子が悪くなった」そう。そして3月17日の今夜、来日ツアーの最終日を迎えます。

彼のライブは、僕が初めて見た20年前から何一つ変わっていません。黒の衣装に黒のギター、曲の同じ場面で必ずいつものパフォーマンスを、披露してくれます。その姿は何度見ても笑いを誘い、何度見てもかっこいい。先週11日のライブでも時間きっかりに登場し、アンコールもすぐに出てきてくれました。そして、ライブの最後に必ず演奏する「Bye Bye Johnny」での、背中弾きパフォーマンスまでずっと同じ。


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毎年のように来日し、今回のツアー6公演は、すべてSOLD OUT。気迫溢れるたくましい演奏を見ながら、悲しみというよりは、驚きと感謝の「ありがとう!」を笑顔でコールする新旧ファンたちで、とっても潔いライブでした。


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10年前に最愛の奥さんをガンで亡くしたときも、公演を全てキャンセルして付き添ったほどの愛妻家だったウィルコ。昨年はアイルランドの田舎町出身で、平均年齢17歳(!)というThe Strypesにリスペクトされ、ステージで師弟共演を果たし、The Whoのロジャー・ダルトリー先輩(こちらは70歳!)がボーカルを務める、ウィルコの新作『Gonig Back Home』が来月に発売されるという充実した活動ぶり。さらに、父ウィルコのギタースタイルを引き継いだ息子のサイモン・ジョンソンは、"Eight Rounds Rapid"というバンドを結成して、こちらも今後の活躍が楽しみ。→ Eight Rounds Rapid

0324wilko001.jpgライブ会場で手に入れた『Live at Koko』は、昨年3月ロンドンで行われたサヨナラツアーを収めたDVD。
彼を愛する大勢のファンの声援に応え、最高のパフォーマンスを見せるウィルコに、心の底からジーンとしました。ずっと追っかけてきた人が、こんな素敵な生きかたをしているのは、大いに誇らしい気持ちです。

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娘の名付けのときに、真っ先に浮かんだのが"ウィル子"だったことを、ふと思い出しました。
日本ツアーの後は、本国イギリスでのライブをスタートさせ、7月までツアーは続きます。Wow!
→ Wilko Johonson Live


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Author : Takahiro Koike