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Jun 16,2014

キッチンづくり

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「ブログで書いてほしいテーマ」へのリクエストが、読者の方から届きました。
キッチンのリフォームを予定されているそうで、我が家のキッチンの使い勝手や、
素敵なキッチンについてなにか思うことがあれば教えてほしい、とのこと。
我が家のキッチンも中古住宅を買ったときにリフォームしたものですし
自分のときのことを思い出しながら書いてみたいと思います。

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『家がおしえてくれること』の「わたしの家」の章にも書いていますが
我が家のシステムキッチンは〈タカラスタンダード〉製です。
メーカーのロングセラーである〈エマーユ・アルファ〉というシリーズで、
この狙ってない感じの昭和っぽいレトロ感と、ホーローの質感に惹かれたことが決め手となりました。
(つまり私にとっては面材のデザインと質感がキッチンにおける最優先事項だったのです)

色は白ときめていましたが、白にも何種類か選択肢があって、
何度もショールームに通って、迷って迷ってこのクリームっぽいアイボリーにしました。
ホーローの使い勝手はとてもよく、油汚れもさっと拭けばすぐピカピカになります。

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ワークトップの素材は、パンをこねるために大理石ときめていましたが
予算の関係で人造大理石です。水切りカゴをシンクの内側に渡すタイプにしてからは
こうして広々使えるようになり、作業がぐんとしやすくなりました。
パンをこねるのも、クッキー型を抜くのもここに粉をはたいてじかにやっています。
必然的に汚れには敏感になるので、一日の最後にはふきんでピカピカに拭き上げています。

右のガスコンロは、ハーマンの〈プラスドゥ〉
料理家パトリス・ジュリアンさんが監修を手がけた商品です。
まるで業務用のように機能的で骨太なデザインに惚れ込んだのと
こういう形の五徳はめずらしいので、システムキッチンとは別で購入し、
工務店さんに家で組み立ててもらいました。
下にはガスオーブンを入れましたが、食洗機にするケースも多いようです。

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既存の台所の構造をそのまま生かした最小限リフォームだったため
調理は北に向かってリビングダイニングに背を向けるかたちになります。
そのため引き戸つき配膳窓を設けてダイニングとのつながりをつくることにしました。
壁の筋交いのせいで希望していたより窓のサイズが小さくなりましたが
ここが抜けていることでキッチンからダイニング越しに庭の緑も見えるので
つくってよかったなと思っている部分です。

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リフォームのときも、そして今も趣味的に私がやっているのが
キッチンの実例集を見ながらイメージをふくらませること。
ショールームとは違う、実際に使われている「生きたキッチン」の実例を見ながら
自分が惹かれるところを自分のフィルターを通じてキッチンに反映させていくのです。
実感として、こうしたことをやっているうちにセンスも磨かれていくし、
自分が好きなものが自分でわかるようになってくると思います。

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私の好みのキッチンがたくさん載っていて、いつ見てもヒント満載なのはこの3冊。
『世界のキッチンデザイン』/トーソー出版
『キッチンズ』/クロニクル・ブックス(フレックス・ファーム)
『サンフランシスコのキッチン』/ジュウ・ドゥ・ポム

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私自身、このキッチンはまだまだ理想には遠く、また手を加える予定です。
たとえば、この薄暗さを解消するために勝手口のドアを窓つきのものに替えることになっていて
先日工務店さんにきてもらって相談をしたばかり。
扉のデザインを自分たちで考えて作ってもらうので、来年中くらいを目標にのんびり考えています。
あとは床材を替えたり、壁を部分的に塗ったり、模様替えアイデアは尽きません。

私にとってキッチンづくりは、メーカーや器具を選ぶのはいちばん最初の段階に過ぎなくて
そこから自分で使いやすく工夫したり道具を揃えたりしていくのが最も楽しくて大切な作業。
もっと自分らしく、もっと居心地も使い心地もいい、愛せるキッチンをめざして
一緒にがんばりましょう!

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