娘を後部座席に乗せて私が運転しているとき、彼女が言い出すあれこれが面白くてたまりません。
何の前ぶれもなく「ママー、『とにかく』と『にく』ってにてるよね」
「『おこのみやき』と『じゅんび』ってにてるよね」
「『みかん』と『しゃぶしゃぶ』もなんだかにてる」
......「とにかく」と「にく」は、まぁわかりますが、残る二つは何が何やら？？？？
よくよく聞いてみると、うちでお好み焼きをつくるときは
ホットプレートを吊り戸棚から出してきたり、大きなボウルやフライ返しを出したり、
ソースやマヨネーズや青のりを冷蔵庫から出してテーブルに並べたり......その様子が
娘の目には「これが『じゅんび』ってものなんだ」と映っているらしいのです。
だから「お好み焼き」と「準備」は似たもの同士のグループ。
みかんとしゃぶしゃぶは、みかんを口に入れたときのジューシーな感じが
音にすると「しゃぶしゃぶ」に近いのだそうです。なるほどね！と納得。

そして近ごろの夜のお楽しみは、積み木で高い塔やお城をつくること。
これは王様の椅子だそうで、折り紙を切ってつくった冠をてっぺんに乗せました。
1年前はこんなことができるようになるなんて予想もしなかった、上等のテクニックです。

「まぁね」や「どうせ〜なんでしょ」など、こまっしゃくれた物言いに
私や夫から注意が飛ぶことも増えてきた一方で、
未だにホチキスのことを「ポチキス」と呼んでいるし
昨日は回覧板のことを「かんばんらん」とすまして呼ぶ様子に笑いをかみ殺しました。
あぁ、きっとこの5歳の放つ言葉のあぶなっかしさを面白がるのは
もうすぐおしまいなのだろうなぁと思うと、なんともせつない気持ちになります。