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Dec 16,2014

空っぽの引き出し

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義母が約2週間の滞在を終えて名古屋へと帰っていきました。
長期の滞在にあたって、事前に私の母から言われていたのは
「お義母さんが泊まる部屋に空っぽの引き出しを用意しておきなさい」ということでした。
来年から娘の部屋になるこの和室には
おもちゃのオーブンやミッフィーのぬいぐるみなどもありましたが、すべて納戸にしまい
ボードゲームなどがあれこれしまいこまれていた引き出し2段を空にして、義母を迎え入れました。
また滞在終了後すぐ片づけましたが、こたつも出しておきました。

そういえば私が産後2週間、実家に帰ったときも、母は空の引き出しを用意してくれていました。
たしかにそれがあるかないかで、滞在の意味合いが変わってくるのかもしれません。
着替えや荷物を鞄から出し入れしている間は、自分の居場所という感覚を持ちにくいけれど
ほんの短い期間でも自分の引き出しがあると、そこはプライベートスペースになるのです。
下着や化粧品をしまったり、自分で空間を片づけて居心地よくすることができる。
だから泊まり客を迎え入れるときは、空の引き出しを用意すること。
この部屋で寛いでいってくれた義母の様子を見ながら
一つのホスピタリティの姿勢として、母が私に伝えたかったことを理解できた気がしました。

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一方こちらは、なんの意味もなくたまたま空だった引き出しが
いつの間にか娘の宝物入れになっていた、という一件。
場所はソファ脇の読書コーナーであるサイドテーブルの引き出しです。
スーパーボール、あやとりの糸、ハーモニカにオルゴール、アクセサリー......
まだ自分の机がない娘にとって、この引き出しこそが
わたしのプライベートスペースなのよ、ということでしょうか。

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Author : Nao Ogawa