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Aug 13,2015

夏休みの本

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この季節になると、雑誌でよく組まれるのが「夏に読みたい本」の特集。
私も先日書店でいくつかチェックして、『CREA』を購入しました。
決め手はなんといっても村上春樹さんのエッセイ。
こんなに読めるの!?というくらいのボリュームで、
新刊『村上さんのところ』と一緒にうきうきとレジへ。
名古屋でゆっくり読めたらいいなと思いながら鞄に詰めてきましたが
さて、その余裕はあるでしょうか?

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読書感想ブログを書くのは先月の「面白かった対談本」以来、約1カ月ぶりですが、
最近読んだり、次に読もうとしたりしているのは、
あのとき紹介した2冊の対談本から派生したものが多いようです。
たとえば『洋子さんの本棚』の中で、「旅へと誘う本」として
小川洋子さんと平松洋子さんの二人とも挙げていた『インド夜想曲』。
映画化もされた作品として存在は知っていましたが、先日初めて読んだら
あまりの面白さにぐいぐい引き込まれて、一気に読了。そしてふと
「私、もう小説が読めるようになっている!」と気づいたのです。
出産以来7年間、常に読書時間が細切れになることから
物語の世界に深く入り込んでいきたい小説の読書は
(村上春樹さんの新刊以外は)自ら控えていたのですが、めでたく解禁のようです!
小川洋子さんの芥川賞受賞作『妊娠カレンダー』はそんな流れから、
台湾への往路の機内に持ち込んで読みました。

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『仕事。』に掲載された12人のインタビューの中で
その言葉に最も心動かされた沢木耕太郎さんの『貧乏だけど贅沢』。
井上陽水さん、高倉健さん、阿川弘之さんや群ようこさんなど
沢木さんとの交流や縁の深い10人が、
旅の体験やそれに基づく持論を展開し合う、洗練された大人の対談集です。
いつどんな状況で開いてもすーっとその対話の世界に入っていける感じで読みやすく
最近出かけるときはバッグに入れて、少しずつ読み進めています。

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『インド夜想曲』の面白さは
須賀敦子さんの訳の素晴らしさによるところも大きかった気がして
次は須賀さんの文章をじっくり読んでみたいと随筆集がスタンバイしています。
小川洋子さんの次に読む作品も買ってあります。

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文芸春秋の精選女性随筆集は、作家の川上弘美さんと小池真梨子さんが
日本近現代文学の女性作家の作品から傑作を選出したシリーズです。
武田百合子さんの巻をすでに読み終え、
須賀敦子さん以外には高峰秀子さんと石井桃子さんの巻を買ってあります。
装丁も素敵で、ほかにも次々揃えていきたくなります。

本棚には「次に読む本」が常に何冊も待っている状態で、
読みたい気持ちと読む時間のバランスが上手にとれないのは相変わらずですが
そんな中でも1冊、また1冊と読み終えていく気持ちよさ、
もう一歩踏み込んで言うと、本という形あるものから、形のない何かを
自分の中の奥深いところにしみ込ませられた、という手ごたえは
ちょっと他には代えられない喜びです。
小説も読める体を取り戻した今、ますます気持ちは読書に向かっています。

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Author : Nao Ogawa