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Jan 18,2017

小豆に目覚めて

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朝ドラ『べっぴんさん』で、ヒロインすみれの娘であるさくらの好物がおぜんざいで、
お手伝いのキヨさんや、近江の叔母さんがつくってあげる、という回がありました。
といっても画面におぜんざいはそれほどはっきり映し出されなかったのですが、
それを見たのがお正月で、なんとなく「和のあったかい甘味」を欲する気分だったせいもあり
突然「よし、うちでもおしるこ(関東生まれなので、おぜんざいよりおしること呼ぶ方が
なじみがあります)つくろう!」と思い立ったのです。
ちなみにおしるこは、小さい頃からいっしょに住んでいたおばあちゃんが
冬になるとよくおやつにつくってくれたのをおぼえています。
でもわたしはこどもの頃あんこが苦手で、あまりうれしくなかったのが、いま思うと残念。
たしかおばあちゃんのおしるこはこしあんで
わたしが突然あんこ好きになったのは粒あんのおいしさに目覚めたせいなので
まぁ仕方がなかったかもしれませんが。

いまもあんこは粒あん派なので、年明けに開いたばかりの市場に出かけて
「これでおしるこつくったら最高よ〜」と乾物屋さんのおばさんに勧められた大納言小豆を購入。
きび砂糖でこっくりと甘く煮てみたら、これがとても簡単なのにとびきり美味しい!
しかも小豆があるとこんなに便利なんだ!といううれしい気づきがありました。

おもちを入れておしるこにすれば、おなかから全身温まって元気がわいてくるので
寒い朝に手早くパパッと朝ごはんを済ませたい、なんてときにはぴったりなのです。
逆に、おもちが入ると一食分くらいの食べごたえがあるので、
おやつには小豆だけ温めて中田窯のそば猪口でいただくのですが
あんこ好きな娘が大喜びで、これなら少量でも満足してくれるので大助かり。

それにしても、味覚って不思議ですね。
こどもの頃は苦手だったものを、家でつくって食べるほど好きになるなんて。
パンや焼き菓子やジャムと同様、この小豆をコトコト煮る時間にも、
家の台所でつくるからこその素朴な匂いの幸せがあります。
それはプロの味をいただく高揚感とは別ものとして、しかし並列にあり、
わたしにはどちらも大切なのです。

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Author : Nao Ogawa