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Jun 12,2017

9足の靴

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金曜日は、数日前から娘のお友だちが2人、うちにきて遊ぶ約束をしていました。
ところが午後3時過ぎ、外のにぎやかなしゃべり声が仕事部屋まで届いてくると思ったら
ピンポーン!と玄関チャイムが鳴りました。なんだなんだと出ていくと、
娘と数人のお友だちがランドセルを背負いながら門の前に集まっていて
「ママー!あとでみんなが遊びにきたいって!いいよね!?」と娘が聞いてくるのです。
この状況で首を横に振ることなんて、できません。

お友だちが家に帰ってランドセルを置き、
お母さんに行き先を伝えてまたうちへやってくるまでのあいだ、娘に事情を聞くと、
なんでも娘とお友だち(最初に約束をしていた二人)が遊ぶ話を聞いた他のお友だちが
わたしも!ぼくも!と次々に参加表明をしたらしいのです。
週末で小学生も花金(この言葉は今もアリなのか?)ムードだったのでしょうか(笑)。

同じ通学路の子も、違う通学路の子も、最終的には8人のお友だちがやってきて
娘も入れて9人の小3キッズが我が家に集まり、まずこれを片付けないと、という雰囲気で
ダイニングとリビングを使って学校の宿題に取りかかりました。
わたしはテキトーに麦茶とおやつ(持参の子もいてくれて助かります)を出したら
仕事部屋に引っ込み、自習する教室をのぞく気分でちらちらと様子を見守っていました。
しばらくすると、誰ちゃんに言われた言葉がキツイと傷ついて泣き出す子、
それを慰める子、キツく言った子をちょっと責める子、逆に慰める子、
キツイと言われて自分が泣き出しそうになる誰ちゃんなど
ちびまる子ちゃん一話分のエピソードにも匹敵するドラマが
すぐ目の前で展開するではありませんか。
しかしそれも、一人がうっかり麦茶を机と床にこぼしたことで中断、そしてリセットされ
わたしはそれをふきんで拭いて始末しながら
(みんながちゃんと「ごめんなさい」と謝れることに感心しました)、
「宿題が終わったら校庭で遊んできたら?」と提案してみました。
うちは学校のすぐ近くなので、みんな「その手があったか」という顔で「いいねぇ!」と賛同。
それからは急に真剣に宿題をやりはじめ、
終わった子から順に「行ってきまーす!」と校庭へと走っていきました。

全員が出て行ったあとのリビングには、水筒やリュックがたくさん置かれていて
しばらくすると、お稽古事があるから早く帰るという子が一人、戻ってきました。
「みんな校庭で何やっているの?」と聞くと「おにごっこ、やってます」。
それからも、お母さんとの約束の時間を守って早めに帰る子が30分間隔でうちに戻ってきて
最終的には5時半にみんなが戻ってきました。
わたしはちょうど娘のワンピースをつくり終え、
ヨーヨーキルトを胸に縫いつけているところだったのですが
女の子たちがまわりをぐるっと囲んで興味津々で手元を見つめるので
「冬になって外で遊べない日にうちに来たら、おしえてあげるね」と言いました。

さてそんな約束が果たされる日がやってくるのかどうかはわかりませんが、
お稽古事にくわえて塾に通い始める子がいたり、来年からは部活動もはじまるしで
子どもたちもどんどん忙しくなります。
そう考えると、小3はもしかしたら、いちばん自由でのびのびできる一年かもしれない、
だとしたら、楽しい思い出がたくさん詰まった一年になったらいいねと、
玄関にきれいに並んだ9足の靴を撮りながら思うのでした。

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Author : Nao Ogawa