Apr 03,2018

西早稲田 八幡寿司

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雑誌『栄養と料理』の「おいしい時間の流れる場所は・・・」で、西早稲田にある八幡寿司(やはたずし)の絵を描いています。この連載で音楽・文芸批評家の小沼純一さんとともにお店に同行するのも4回目になり、取材も絵も少しずつ安定してきた気がします。


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八幡寿司は、4代目と5代目がカウンターに並んで江戸前寿司を握ってくれます。親子ならではの絶妙な呼吸とリズミカルな間合いは、極上のセッションをしているようで見ていると楽しいです。(この絵はその瞬間を描いています)もちろんお寿司だけでなく、おつまみや日本酒も豊富で、2階席もあるため大人数でも安心。八幡寿司ではしょうゆをつけないという小沼さんに倣い、ネタにほんのりとしみる下味だけに味覚を研ぎ澄ませていただきました。(4代目はカッパ巻きを考案した方としてよく知られています)


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創業明治元年の風格と佇まいに酔いしれていると(撮影の頃は雪が少し残っています)、後日うれしいお知らせが。雑誌が発売されるとすぐに5代目から編集部に連絡が入り、この絵をとても気に入っているので、ぜひお店に飾りたいとのこと。絵はモデルになったお店に飾らせていただくのが、何よりも真っ当です。絵も喜ぶと思いますし、絵描きとしても本望です。さっそくお店を訪れてランチをいただいた後に、絵を納品してきました。近々額装して飾っていただけるそうです!

おなかも心も大満足で店を後にすると、86歳になる4代目が走って追いかけてきました。驚いて振り返ると、生粋の江戸弁で「ぜし、読んでください!」とご自身の著書『早稲田わが街』という立派な本を手渡してくださいました。そこには大正時代からの早稲田界隈の歴史と文字通り馬場だった頃の話が克明に書かれていました。早朝の仕入れから仕込み、ランチ営業後も夜遅くまで休みなくカウンターに立ちながら、郷土史研究家として本を書きあげた4代目のエネルギーに心から感激しました。

いろいろなつながりの中で関わることのできた皆さんが、それぞれきっちりと仕事をして、誰もがいい気分になれる。そんな貴い瞬間でした。すべてが落ち着いたら、ゆっくりとお寿司を食べに行こう。さぁ、新学期も張り切って駆け抜けましょう!

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Author : Takahiro Koike