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Aug 06,2018

夏休みのオムレツ

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夏休み開始と同時に、娘が「自分の食べたいオムレツづくり」をはじめました。
きっかけは、わたしか夫が毎朝つくるプレーンかチーズ入りのオムレツが
肉を食べたいお年頃の娘は常々ご不満で、
朝練がなくて急いで朝食を食べる必要もない夏休みに入ると
せいぜい3、4口で食べ終えるサイズのオムレツをいったい何分かけて食べてるんじゃ!
というくらいにモタモタと食べている様子にわたしがしびれを切らし、
「いったいどんなオムレツが食べたいのよ」と聞くと
「みーちゃん家で食べるみたいなの」と答えるのです。
それはどんなオムレツなのかとさらに尋ねると、
ベーコン、玉ねぎ、トマトやピーマンなどを炒めて最後に卵でとじるタイプのものらしく、
「じゃあみーちゃんにつくりかたを聞いて自分でつくりなさい」ということになりました。

朝ドラ『半分、青い』のBS版を見てから8時始業、というタイムスケジュールは
夏休み中でも変わらずなので、娘の起床時間は6時半。
翌朝は起きてすぐみーちゃん家に電話してレシピを書き留め(乱筆だ......)、
それを冷蔵庫に貼り、自分でつくりはじめました。

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初回は味見がてらわたしと夫の分もつくってもらおうということになりましたが、
具材を切るのがどうしても遅かったり、玉ねぎを切った後に泣く時間が必要(苦笑)だったりで
30分以上経過してもオムレツはできあがりません。
そうこうしていたら『半分、青い』が始まってしまい、
台所からテレビ前に飛んできて一緒に見ようとするので
「ちょっとぉ、まずは朝ごはんつくってちょうだいよ、待ってるんだからぁ!」とまた一喝。
(注:にんじんのヘタが入った保存容器は夏休みの宿題の自由研究。ホント小学校って大変......)

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初日は1時間近くもかかって、なんとかオムレツ完成。
味は上々で、根っからポジティブでオメデタイ性格の娘は
「おいしい〜♫ これこれ、これが食べたかったの!わたしって料理の天才かも!」と自画自賛。
しかし毎朝これをのんびり待っていることはできないので、
15分でつくれるようになった暁には家族分を引き受けてもらい、
それまでは自分一人用のオムレツで日々練習、ということになりました。
夏休みが終わる頃には朝ドラ前にわたしもこれを食べられるようになるかしら。

夫がふと思い出したように「そういえば僕も小4くらいのときに、
母ちゃんがつくる料理じゃ腹いっぱいにならないって文句を言いながら、
自分だけウィンナーを炒めておかずに加えたりしてたなぁ」とつぶやいていました。
料理をするようになるきっかけって、案外こんなものかもしれないし、
きっかけはなんであれとにかく料理をすること、それが一番大事ですから
この夏休みのオムレツ騒動は悪くない展開だと思っています。

10月発売のメルボルンの本で、自分で気に入っている文章のひとつに、
取材をした素敵なお店の女性店主が言った
「人生で大事なのは、自分で料理をすることと、その余裕があることよ」という言葉があります。
インタビュー起こしをして、これは絶対に文字にして記したいと思いました。
だって、本当にそうだ、その通りだ、と思う。名言です。


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Author : Nao Ogawa