全国に店舗を構える老舗書店「丸善」が、創業150年を記念し出版した書籍『丸善の150年と12の方法』にイラストを描きました。さまざまなトピックと共に、時代を先取りした丸善の歴史をわかりやすく紐解きます。
1954年に社内に開設された「本の図書館」。
ノーベル賞を受賞した湯川秀樹氏。
初めて日本に輸入したバーバリーのコートを纏う紳士。
1960年前後にかなり高価だった洋書のアジア版。
被災地の図書館の復興支援。
丸善の文房具をこよなく愛した詩人で哲学者の串田孫一さん。すべて僕の大好きな2色印刷です。
6人のイラストレーターが、6点ずつ絵を描くオムニバス形式で、ページをめくるたびにテイストの異なる画風が現れるのはとても新鮮です。
体裁は書店の歴史本ではありますが、豊富なイラスト、表紙や本文のデザイン、サイズや装丁、紙質などは、グラフィカルで洗練された海外コミックスのような佇まいです。膨大な資料を、楽しく明快に編集したのは松岡正剛氏が率いる「編集工学研究所」。(無印良品内にあるMUJIBOOKSの選書も手がけている会社です) まさにこよなく本を愛し、本の素晴らしさを知り尽くした面々が制作した、知的好奇心に満ち溢れた一冊。力量のある素晴らしいイラストレーターさんたちと、誌面でご一緒できたのは最高に刺激的です。