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Jun 09,2016

『sketch』を広げていく

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『sketch』を発売してから、約1年半。
『sketch 1』『sketch 2』あわせて3000部を刷ったうち、
約6割までが読者の方々のもとへと渡っていきました。
これまではブログ読者の方がメールで購入のお申込みをしてきてくださるのに対して
一通一通お礼の返事を出すような気持ちで発送する、というのが主な販売活動で、
通販と並行して、『sketch』にも登場する〈メリーゴーランド京都〉〈流浪堂〉
他にもこれまでにつながりのあった友人のお店や
お取り扱い希望の連絡を下さった書店さんには卸させていただいてきました。

最近、新作のアイデア探しも兼ねて、前から好きな書店さんや、
評判を聞いて気になっていた新しい書店さんを集中的にのぞいていたら
インディペンデントな出版社や個人制作による本でも
独自の並べ方によって大切に売られていることに気づき、
「こういう店で『sketch』も売ってもらえたらいいな」という気持ちが
自然に湧き起こってきました。

『sketch』については、取次業者による書店流通にはのせない、
Amazonでは販売しないという2点だけは決めていましたが
(両者ともこの本の販売方法には向かないと考えたためで批判的な意図からではありません)
もっと具体的な「売り方」については自分たちの方針が中途半端だったこと、
売る姿勢そのものが消極的で、どこか受け身だったことにも気づかされました。
大型書店では確実に埋もれてしまう、小さくて目立ちにくい本だけれど
店主の方やスタッフの方がこだわりをもって棚をつくり売っている書店さんでなら
この本に興味を持ってくれる新しい読者の方に出会えるのかもしれない。
今はまだ私たちやこの本の存在を知らない人たちにも広がっていく可能性が
そこにはあるのかもしれない、と思いました。

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そこで、置いていただきたい書店さんに、一軒一軒売り込みを始めました。
資料をつくり、見本を読んでもらって、この本を店で扱うかどうか検討していただくのです。
資料には、この一年半の間に寄せられ、BOOKSで紹介させていただいた
読者の皆さんのコメントを抜粋して掲載し、
どんなふうに読まれている本なのかという参考材料にしていただいています。

ありがたいことに、実際に会ってお話しできたほとんどの書店さんで
快くお取り扱いを決めていただいています。
今後それらのお店を一軒ずつブログで順に紹介していきますので、お楽しみに。

常々「ずっと本をつくりつづけていきたい」と言ってきた私ですが
「ずっとつくりつづけること」は必ずしも
「次々に新作をつくること」ではないのだと思い至りました。
自分が全力を注いでつくった大切な作品を、最後まできっちり売り切るつもりで真剣に売る。
そこまでやって見えてくる、次の方向性もきっとあるはずです。
「つくること」を無意識に「制作と発信」ととらえてしまっていた意識をここで改めて、
「売る」「広げる」ところまでちゃんと取り組んでいこうと思います。
しっかり志を持って本を並べて売っている、魅力的な書店さんたちのお力を借りながら。

sketchお取り扱い店さんはこちらをご覧ください。→  sketch販売店リスト

私たちがセレクト書店での拡大展開を考えるきっかけとなった本屋さん
〈SHIBUYA PUBLISHING BOOK SELLERS(通称SPBS)〉でも、
コンスタントに売れ続けているそうです。
『sketch』が気になっていた方、買いそびれていた方は
ぜひこれらの書店さんで手に取ってみてくださいね!

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Author : Nao Ogawa