雨が降ると木々の緑がいっそう色濃く輝きます。先日訪れた杉村楚人冠記念館から庭園へ続くアプローチには、整然と手入れされた庭とは違う、野性的で素朴な強さがありました。→　BLOG

庭園から見上げると母屋が木々の間から顔を見せてくれました。ちょうど窓の向こうに書棚が並んでいた部屋があります。手前には真っ赤な彼岸花が一輪。

鎌倉文学館は門からのアプローチに、石造りの小さなトンネルがあります。少し登り坂になっているこのトンネルが僕は大好きで、学生時代に初めて訪れた時は心躍りました。高さや長さも理想的なトンネルだと今も思っています。→ BLOG

ここだけが包まれるような不思議な空間なのは、きっとトンネルと木々が寄り添いながら共存してるからなのでしょう。人が自然に溶け込んだ時ほど、気持ちのよい瞬間はありません。帰り道はゆるやかな下り坂になっています。

訪れた庭やトンネルを歩いてふと気づいたのは、雨つぶをたっぷり吸いこんだ濃い緑と、ふくよかな土の温かさでした。『sketch1』と『sletch2』は、カバーを外すと濃い緑とこげ茶色の表紙になっています。あまりに愛おしくてカバーをつけずに発売したいと提案したほど、僕らが気に入っている表紙です。表紙に印刷されている小さなドットは手描きの星なのですが、どこかにひとつだけ三日月が隠れています。ぜひ、探してみてくださいね。
それでは自然を熱く感じる週末を！ → [READER'S VOICE for "sketch"]