娘の国内初コンサートを盛り上げようと、当日朝から星野源の曲を聴きながら一緒に歌っていると、だんだん気持ちが高ぶってきて、娘以上に楽しみになっている自分に気づきました。娘と奥さんが出かける準備を始めると、当選に外れたのは自分だけなんだ...。今夜のコンサートには行けないんだ...。と無性に悲しくなってきたのです。まさかひとりで留守番をするということが、これほど寂しい気持ちになるとは...
2人が出かけた後は、のんびり映画を観てマンガを読もうと決めていたのですが、どうしても星野源のことが気になってしかたないのです。開演時間が迫ってくると、もうソワソワ。奥さんから会場の写真がメールで送られてきた瞬間、「よし! こうなったら星野源のカセットテープを作ろう」
星野源のアルバムは最新アルバムを含め4枚。娘の好きなくるりやマイケル・ジャクソン、星野源と縁の深い細野さんの助けを借りながら、今夜のライブで演奏しそうな曲をメインにした90分テープの制作を始めました。
さっそくギネスビールをグラスに注ぎ、自分で作った熱々の湯豆腐、がんもどきとダイコンの煮ものを交互につまみながら、体温を上げ勢いをキープ。スナックには箱が立派なとんがりコーンを迷わずセレクトしました。
いつもより大きめのボリュームで音楽を聴くと、曲の良さと密度にあらためて興奮します。
星野源はコードやリズムにジャズやソウルの要素が強く、マリンバやストリングスのアレンジも見事で、エンターテインメントに長けたソロ・ボーカリストのイメージ。一方くるりは英米ロックや各国の民族音楽を巧みに取り入れた広がりのあるギター中心のバンドサウンド。そのどちらにも共通しているのは、身近でポジティブなフォークの要素がしっかりと歌に沁みこんでいるところ。僕はギター片手に地声(大きな声)で歌いながら、3時間のダビング作業を楽しみました。
(くるりの『ハイウェイ』と星野源の『くだらないの中に』は、やはり素晴らしい名曲だと心底しみじみ)
テープが無事に完成し、コンサートから帰ってきた2人を出迎え、3人で夜遅くまで盛り上がり歌い踊りました。今回のテープはSONYのCDixⅡ-90(ハイポジ)。ツアータイトルの「YELLOW VOYAGE」にちなんでイエローをチョイス。 親指で出し入れができるスライド式の特殊ケースは、ちょっと斬新な仕様です。
興奮冷めやらぬ翌日、カセットレーベルに曲名を書いてもらいました。
これまで書いたことのないくらい小さな文字で曲名を書きながら、
娘はカセットへの愛着がさらに増したよう。
好きな曲ばかり入っているこのベストテープは、娘と僕らの宝物です。