「両親へのプレゼントとして家族の絵を描いていただけないでしょうか」。富山にお住まいの方からのオーダーで、家族13人(ワンちゃん含む)のイラストを描きました。
「この度、何十年も家族のために働いてきてくれた父が退職し、それを支えた母へ、3人の子どもたちから贈りものをしたいと思っております。子どもたちはみな結婚し、親もとの京都を離れそれぞれ大阪、富山、ニューヨークで暮らしています。全員が集まることはなかなか難しいので、孫まで集合した絵があると素敵だなぁと思っています」。
13人を一度に描くのは初めてでした。どうやって描けばきれいに収まるかを悩んでいると、オーダーをいただいた長女の方から、家族の性格やお仕事、趣味や特技がきめ細かく書かれた手書きの構成図を送っていただいたのです。13人のキャラクターを把握すると、すんなりとレイアウトが決まりました。
68歳のお父さまは、定年後もさまざまな企業でアドバイザーをされているそう。根っからの会社人間で、性格も趣味も義父とよく似ています。
3歳下のお母さまは料理が得意で、家族のために献身的に生きてきたそう。最愛のご両親に贈るメッセージはシンプル&ストレートに「Congratulations!」と「Thank You ♡」に。
かわいらしいワンちゃんのカイ君も、しっかり目線ありで描きます。
ちょうど制作中、長男さんご夫婦に新しい命が授かりました。依頼をいただいた時点ではまだ産まれておらず、お名前を「Baby」にしていたのですが、ひょっとして間に合うかもと思い、ギリギリまで名前を空けておいたところに、無事に生まれてきてくれて全員のお名前を描き入れることができました。当初の予定日より早かったこともあり、きっと「僕も家族に入れてよ~」と頑張ってくれたのだと思います。
ご両親をやさしく取り囲むよう花々やフルーツのブーケをあしらい、さらにそのまわりをぐるりと囲むようにご家族の皆さんを描きました。制作中にひと回り大きな四つ切サイスに変更し、13人がピッタリとハマった時はうれしかったです。
「先日、両親に似顔絵をプレゼントすると、思いがけないプレゼントに大変驚いていました。父も母も感情をそのまま表に出すタイプではないのですが、とっても喜んでいることがわかりました。けいたくんの名前がちゃんと入っていたことも、とてもうれしいと言っていました。帰って来てからすぐにダイニングのいちばん見える場所に飾ってくれて、何回も『ありがとう、ありがとう』とお礼を言ってくれました。とてもいい記念になり、本当にありがとうございました!」
8月の帰省や記念日に合わせて作品の制作が重なり、描き分けるのはなかなか大変な作業でした。(→ BLOG「思い出サイクリング」)(→ BLOG「☆ THANK YOU ☆」)
こうして無事に届き、心のこもったお礼のメールをいただくと(後日、お母さまから丁寧なお礼状までいただきました)、あぁ良かったなぁ...と心底思います。素敵なご縁のあるご家族が全国にいる、というこの上ない幸せを噛みしめて、有意義な週末を迎えたいと思います。このたびは本当にありがとうございました!